伊予三島市の故 真鍋敏太郎さんは、宇摩史談1977年14号に「三島真鍋家について」と題して家歴について次のように書かれています。
寿永年間故ありて、備中小田郡真鍋島に住し島の高山に城を築き、城主として瀬戸内海の船舶の航行の安全保護に当たる。当時より真鍋の姓を名乗る。
寿永二年源平東西に分かれて相争う。真鍋氏は西国にあり平家に従いて一ノ谷の戦いに出陣し、大手生田の森を守り戦い板東の強者河原の太郎・次郎に郎党を討ち取り高名す、と、平家物語にあり。一ノ谷の合戦に平家敗れて讃岐の屋島に落ちる。真鍋氏も平家に従いて讃岐に落ち、屋島の平氏も源義経の奇襲により壇ノ浦へ落ちた。その後は真鍋氏も讃岐に落ち着き源氏の目を逃れて一時は土民に落ちていた。
源氏亡び足利時代となり、讃岐の守護細川氏盛んになるに及び、真鍋氏も細川氏に仕え度々の戦いに戦功を挙げ、次第に重く用いられ、細川氏の伊予侵入により宇摩・新居地方が細川氏の勢力下になるに及び、真鍋氏は宇摩郡中曽根村に松尾城を築き城主としてこの地に落ち着く。その後細川氏・三好氏と続き、勢い衰え戦国時代となり天下乱れ各地とも相争う。
真鍋氏も天正五年宇摩郡金川村轟城主大西備中守元武・弟貞武・武綱等数百騎の急襲を受け、数日之を中曽根村六塚・野々首に大いに破り、兄弟を討ち取り大西氏を滅ぼす。
以後宇摩地方の領主として勢い次第に盛んなりしが、豊臣秀吉四国征伐を起こすや、中国毛利輝元を伊予侵入の将として叔父小早川隆景兵船数百艘を以て宇摩新居郡に上陸する。眞鍋氏はこれを天満蕪崎に迎え討ち、激戦十数度、善戦するも多勢に無勢遂に衆寡敵せず大炊介通周以下郎党すべて此の地に戦死す。天正十三年七月十八日なり。守徳院殿天叟浄運大居士と号す。なお中国勢は東に兵を進め中曽根村へんろ道あたりより大筒を打ちかけ城落城す。大炊介通周に嫡子吉元あり。その時年僅か七歳なり。お守役信種、吉元を奉じて三島へ逃れて以後三島村に居住する。
その後豊臣氏の天下平定なり、後徳川氏となる。宇摩郡は福島・池田・小川・藤堂氏と次々領主が替わり、吉元成長するも松尾城再興の望みを失い、後三島村の庄屋役を仰せ付かり、代々世襲、明治に至るまで続き善政を施す。
吉元に男子四人あり。長男吉長、代々庄屋役を務め、坂上羨鳥の句集に可笑と云う人が出ているが当家から出ている。中小姓格も務め天保ころから寺小屋のような家を建て子弟の教育もしている。
三男吉親、財産もあり文学に趣味を持ち、俳句誌等にも時々名前が出ている。三代後より医師となり、中には九州長崎へ医学の勉強に行った人もあり、現在女子あり。
四男五郎太夫、此の家は妻鳥村に住し、村一番の財産家で享保十一年十二月十五日藩主より名字帯刀を許された豪農である。しかし此の家はその後宇摩郡の史料には出てこない。元文・寛保頃今治藩の直臣として今治町の方へ移住したのではないかと思う。
後になったが吉元二男吉茂、この人妻は土居飯武大庄屋加地彦右右衛門の娘なり。二人の間に男子三人あり。此の三人がそれぞれ一家を起こし真鍋家の中心となり藩の御用銀・飯米等の納入等、大変力を尽くし郷士・中小姓・馬廻り(給人 藩の上士)として優遇された。記録によると、初め五人扶持、八人扶持、十人扶持、十五石、五十石、百石と加増され、明治維新まで続くが、各家 士族に列せられる。
猶 当家の祖先は代々仁徳を施し、享保17年の干魃とうんかの発生で稲作の被害甚大で、蝗害は中国・四国・関西各地にわたり、松山市の松前の義農 作兵エの餓死したのは此年である。
当家の古文書の中に、
享保18年11月
大凶年相続(き)当村餓死の者江(へ)両度助米差遣候依之従 殿様為御会釈
於御陣屋御重之内記仰付候
とあり、毎年打続く旱魃・飢餓には其の都度助米を差出している。
(このあと当家の古文書に記されている今治藩への御用銀・飯米等の納入について書かれていますが、省略させていただきます。)
1996年(平成8年)5月20日付 四国愛媛新聞に、次の記事が掲載されています。
宇摩史談会(鎌倉次郎会長)はこのほど、伊予三島市中曽根町の法皇山脈尾根にある史跡「松尾城」の縮尺入り絵図を城主の子孫から入手、これを基に同城跡の復元を目指して「松尾城跡復元協議会」を発足させた。
標高約330メートルにある松尾城は、戦国時代に築かれた山城。絵図は同城主の子孫に当たる12代目の伊予三島市中央町3丁目、会社員真鍋吉尊さん宅にあったもので、遠縁に当たる人が正確な寸法を記入したという。
城郭の全長は南北に86メートル、最大幅35メートル、最小幅13メートル。敵の攻撃を食い止めるため、階段状に連なる七つの郭から成り、周囲には堀が巡り、頂上背後には落とし穴の「切り通し」がある。
同協議会は当面、伊予三島市に働き掛け、雑木や下草などで通行が困難な城跡までの市道整備に力を入れる計画。11月をめどに、ボランティアで発掘作業も始める。
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