「切山に霧が舞う」 作詩/宮川和扇 作曲/小倉茂夫 一の谷の 戦(いくさ)破れて 屋島 伊予路と 流れの旅を 幼き安徳帝(あんとく) 奉じた五士の 平家落人 謡(うた)かなし 旅人一人 供養舞 ああ 切山に 霧が泣く 盛者必衰(しょうじゃひっすい)の 理(ことわ)りを 今に伝える 安徳の窪 遺品しのべば 断腸の雨 今 旅人の 袖ぬらす せめて今宵は 修羅(しゅら)の舞 ああ 切山に 霧が舞う 瀬戸は見えれど 長門(ながと)は見えぬ 海の底なる 都に逝きし 八歳(やとせ)安徳帝(あんとく) 偲んだ院の 大松(おおまつ)老いて 今はなく 流転(るてん)転生(てんしょう) 平家舞 ああ 切山に 霧が去(ゆ)く |